もうひとつの 終幕 II【BAD】 ページ37
『…どうして、なんで』
「どうして？」
私の前まで歩いてきて、ゆっくりしゃがむ。
最近は見なかった、貼り付けるような気味の悪い笑み。
「あなたに必要なのは、僕だけで充分ですから」
その言葉を理解して背筋が凍る。怖い、悲しい、怒り、憎悪。
美鈴ちゃんだけじゃない。姉を殺した理由も、私を救うためじゃない。きっと＿＿＿。
色んな感情が湧く。何が正しいのかわからない。ただ1つ…わかるのは。
(……逃げなきゃ)
必死に立ち上がり、玄関まで走る。力が入らない。
ドアに手をかけて震える手で必死に鍵を回す。はやく、お願い、お願い。
「＿＿＿ドコに行くんですか？」
冷静に背後に立ち、恐ろしいほど優しく上から重ねた手。その声色から、楽しんでいる様子がわかった。まるで、弱った獲物を捉える獅子のようだ。
「“僕と罪を背負う”。そう言ったのは…あなたですよね」
『ッ、やめて、いや』
「嫌だ？何がですか？僕を愛してるんでしょう？」
あなたを愛しているのも、この世には僕しかいないのに。
「だから、Aさん。一緒に＿＿＿＿＿。」
━━━━━━━━━━━━━━━
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
【都内から離れた住宅街で、男女の遺体が発見されました。】
【2人の腕は鎖で繋がれ、寄り添うように壁にもたれかかっていたとの事です。】
【警察の調べでは、現場の様子や遺体の状態から、男性が女性の首を縄のようなもので締めて殺害した後、自らの首をカッターの様な刃物で切ったのではと推測しています。この事件に関して警察は＿＿＿＿。】
pm.13:04。
窓にもたれ掛かる2人の姿。彼女はもう息をしていない。
まだ少し暖かいその手と、自分の手を結んだ。
もう、二度と離れることは無い。
吐夢はどこか満たされたような顔をしていた。
液晶画面を叩く音が響く。
“はい、こちら＿＿”
自らの手で警察へ連絡した後、
見慣れたカッターの刃をカチカチと出した。
何も怖くはない。僕は1人では無いのだから。
「愛しています、Aさん。永遠に」
痛みは感じない。感じる前に光は消えた。
僕達はこれで、永遠に離れることはない。
''一緒に＿＿＿＿＿＿地獄にいきましょう。''
やっぱり僕は愛されていた。
死ぬ直前、僕の名を呼んだ彼女の顔は
何かから開放されたように幸せそうだったから。
''殺したいほど、愛してる''
やっと手に入れた、本物の愛。
追憶 一マッチング一
Another end
short story→←もうひとつの 終幕 �機�BAD】
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
