もうひとつの 終幕 �機�BAD】 ページ36
同棲してから、数ヶ月。愛する彼＿＿吐夢との関係も良好だ。毎日幸せで、平穏だった。愛してくれる人が居てくれる安心感。自分は必要とされてると思える幸せ。
それがある日、壊れるとしたら？
その日、吐夢が仕事に出た後時のこと。
私はあれから仕事を辞め、家の事を担当するようになった。
『そういえば、ここは掃除したことなかったな』
一つだけ扉の閉ざされた、吐夢の部屋。入るなと言われた訳では無い。でも何故か…入ってはいけない気がして入らなかった。今朝は彼が閉め忘れたのか、かすかに空いたその扉。
好奇心で開けなければよかったと…気付くにはもう、遅かった。
掃除機くらいかけてあげよう、そんな軽い気持ちで扉を開ける。
『………なに、これ』
窓はなく、真っ暗な部屋。廊下に差し込む日に照らされて、その部屋がいかに異質なのかは一目瞭然だった。
＿＿＿＿＿壁一面に貼られた、私の盗撮写真。
そしてその上に重ねるように貼られていたのは、この頃ニュースでよく見る、殺された夫婦達の写真だ。
“現場に置かれた写真の顔にも、罰印が刻まれているんですよ”
コメンテーターの言葉が頭に流れる。
どうして＿＿＿＿美鈴ちゃんの写真が、ここにあるの？
その写真にも刻まれた、罰印。
そして、部屋に一つだけ置かれた質素なデスク。その横にある、有名ブランドの紙袋。
「＿＿＿＿＿どうしました？」
『ヒッ』
その袋に手を伸ばそうとした時、真後ろから声が聞こえた。
「扉。閉めた覚えがなくてすぐ戻ったんですが…遅かったですね」
そういえばこの頃見ていなかった''あの''姿。
最近は私の選んだ服を身につけて、随分爽やかになったものだ。あの服はどうしたの？と聞いた時、捨てたと答えていた。
なのに、見えたのはあのロングコートとゴム製の長靴。ただ、それだけじゃない。その2つにこびりついているのは、きっと。
「あなたは頭がいいから、もう察していますよね」
『ッは、』
「僕が殺したのは、あなたのお姉さんだけじゃない」
座り込んでいる私を通り越して、その机の引き出しに手をかけた。中から出てきたのは、見覚えのある一つの指輪。
“見てこの指輪。世界で1つしかないんだよ”
“凄い、名前まで入ってる”
“彼がね…一生の思い出だからって”
あの時の輝きはもう無い。血がこびりついていたのだろう。時間が経って、それは黒く染っていた。
『…美鈴、ちゃん』
呼んでももう、帰ってこない人。
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
