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あの事件から数週間。仕事は慌ただしくも、何とか店長と切り盛りしている。
今でも、美鈴ちゃんが帰ってくるんじゃないか。そんな事を考えることがある。
「ごめんね、本当は16時までなのに」
『大丈夫ですよ、最近も姉は落ち着いてますし』
「17時には締めていいから」
『ありがとうございます。お疲れ様でした』
基本朝から夕方までは私、夕方から締めまでは店長というシフトのサイクルだ。今日は店長の旦那さんが具合を悪くしたらしく、私が夕方に締めることになった。
1時間くらいなら、連絡しなくてもいいか。
通知が届いているのには気付いていたが、姉のことだ。
後で返せばいいだろう。そう思って仕事へ戻った。
『……疲れた』
繁盛している店では無いが逆に暇な時間が疲れる。
17時。時間通り店を締め、戸締りを確認して外へ出た。
『そういえば、返してなかったな』
画面を開き姉からのメッセージを見る。
【もう疲れました】
『何コレ』
送り先でも間違えてるんだろうか。本音を言えば疲れてるのはこっちだ。
少し苛立ちを覚え、返すことなくバッグへしまった。どうせ家で会うのだから、その時になんの事なのか聞けばいい。
春が近づき、17時でも外は明るい。心地いい春風を感じながら、いつも通り駅へと向かった。
＿＿＿＿そんな姉が1人で、息絶えたことも知らずに。
・
･
『ただいま』
玄関から見えた電気もつかないままのリビング。
姉はいつもこの時間リビングにいるはずだが、珍しいこともあるものだ。部屋にいるのかもしれない。
…なのに何故だか、人の気配が無い。
『お姉ちゃん？寝てるの？入るよ』
コンコン、と彼女の部屋をノックしても返事はなかった。
ゆっくり扉を開けると、ベッドは綺麗に片付けられたまま。今日は家にいると言っていたし、出かける時は必ず連絡が入る。
……あのメッセージといい、何かおかしい。
そんな時その廊下の1番先、風呂場の扉が中途半端に空いているのが目に入った。
『もしかしてお風呂入ってるの？』
そんなことは信じ難い。リハビリを進めているとはいえ、着脱や入浴に最低限介助が必要な姉が、1人で…？
まるでスローモーションだ。その扉へ近づくと共に、不思議と心臓がドクンドクンと脈打つのがわかる。
『…お姉ちゃん？』
軋む音を立てながら開いたドア。脱衣所のその向こう、視界に入る浴室。
『……ヒッ！？』
目に飛び込んできたのは、浴槽に貯められた水の中
青白く沈んでいる変わり果てた姉の姿だった。
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
